【コラム】韓国人気ドラマから学ぶ創造経済(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.03.06 15:41
ドラマを楽しむほうではないが、数年に1回ずつ、どっぷりとはまる時がある。今回は『星から来たあなた』だ。ドラマが放映される水・木曜日の夕方には、約束が長びくたびに時計を確認したりした。だからこの頃沸きかえっている「チョン・ソンイ(チョン・ジヒョン扮)症候群」が、とてもよく分かる。「雪が降る日にはチメク(チキンとビール)なのに…」のセリフ一言で中国に「チメク」を流行させ、南山(ナムサン)Nタワーを恋人たちの名所にし、身につけ・着て・乗って・使って・食べて・飲むこと全てを流行にした力。症候群の実体だ。よくスターマーケティングと呼ばれる力だ。女優チョン・ジヒョンはブランド価値だけで3000億ウォン(約290億円)、経済効果では何兆ウォンだとして、ついに「チョン・ソンイノミクス」という用語まで登場させた。
チョン・ソンイノミクスは私に創造経済を思い出させた。職業はだませないというが、経済記者として飯を食ってきた年月はかなりのものだ。事実、成功の秘訣を分析してどこかにつなぎ合わせるのは簡単だ。結果が出た後の入れ知恵、品評は誰でもできるだろう。だから映画・小説・ゲーム・ドラマ、何であろうがビッグヒット作には成功の秘訣の学習熱風が吹くに違いないのだ。苦しまぎれだが、チョン・ソンイに創造経済を遠回しに言う理由だ。
最初の秘訣は「15年大根役者」だ。「15年前の大根役者はどこに行ったのか」と劇中で親友が「チョン・ソンイ」に皮肉る時、はっと気付いた。そうだ、あのずうずうしくて当たり前のような表情の後ろには、15年の下手な演技があったのだ。チョン・ジヒョンは1999年に広告モデルとしてデビュー、それ以後15年「大根役者」のレッテルをつけてきた。そのレッテルを外そうと彼女は映画『泥棒たち』で代役なしに5階から飛び降り、ワイヤーにぶらさがったまま建物を飛び越えた。それからついに暴言や無知、猫かぶりまで症候群に変えた。