【取材日記】北朝鮮、なぜ抑留者に「二重基準」つけるのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.03.04 10:49
北朝鮮に抑留された豪州の宣教師ジョン・ショート氏(75)が3日釈放された。金正日(キム・ジョンイル)の誕生日である先月16日、平壌(ピョンヤン)のある寺院で宗教宣伝物をばらまいたというのが北朝鮮当局の明らかにした容疑だ。2012年8月の訪問の際、平壌の地下鉄に印刷物を散布した前歴があるという北朝鮮の官営メディア報道に照らしてみれば彼は「再犯」ということだ。
それでも彼は逮捕後16日で出国が許されて家族のもとに戻った。これに先立ち北朝鮮は昨年10月、「反共和国敵対行為」容疑で抑留した韓国戦争(朝鮮戦争)の参戦米国人メリル・ニューマン氏(当時85歳)も逮捕から42日後の12月初めに追放の形で解放した。
金正恩(キム・ジョンウン)体制がスタートして2年余りの間に外国人が北朝鮮地域に入って逮捕・拘禁される事例がどんどん増えた。布教活動をしたとか北朝鮮体制を転覆させようとするいわゆる「反国行為」をしたというのが主な容疑だ。とりあえず抑留して謝罪文などを強要した後、記者会見でこれを明らかにさせるパターンが繰り返されている。これを通じて住民たちに体制結束の必要性を強調し、対南・対西洋への敵対感を刻印させようとする意図だという分析が出てくる。「外部の敵」を作って権力固めをするのに活用するということだ。