【コラム】憲法で孤独死した大韓民国の建国性(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.02.17 16:56
一人の人生を生老病死と要約しようと、喜怒哀楽と表現しようと、「誕生の瞬間」を軽く考えることはできない。誕生の瞬間はすべての人生を説明する出発点であり、存在の証拠だ。住民登録番号が一回性と固有性を持つのは誕生の瞬間の情報を込めたからだ。国家の誕生はどうか。「国家の主権は始原性を特徴とするため、突然、私たちの目の前に現れたものと定義される。国家主権自体が世の中の開始といえる。国家は死亡することになれば後継者が出てくることができない非常に孤独な奴だ」(憲法学者チョ・ムンスク)。現代人が国籍がある人間として生きていく限り避けられない国家の運命性を、ユーモアでよく表現したと思う。
ところが私たち大韓民国の憲法の前文に国家の誕生場面が消えたのを知っているだろうか。前文は後に続く130個の憲法条項に生命を吹き込む最初の精神だ。この最初の精神から国家誕生場面が消えたのは残念でならない。