【コラム】第1次大戦時に酷似した、米国と中国の危険な状況(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.01.07 17:24
20世紀の欧州最高の人文主義者の1人を挙げろと言うならば、私は迷わずシュテファン・ツヴァイク(1881~1942)を挙げる。オーストリアのユダヤ系出身の小説家であり、劇作家兼評論家であったツヴァイクは、ナチスの迫害を避けて遠い異国の土地ブラジルで自ら命を絶って人生を終えた。死ぬ直前、彼は自身の一生を回顧する備忘録を残した。彼の最後の著作となった『昨日の世界』だ。
ツヴァイクは備忘録の相当部分を第1次世界大戦に割いた。第1次大戦勃発前の欧州の状況と戦争の展開過程、そして後遺症について詳細な記録と証言を残した。徹底した自由主義者であり平和主義者であった彼にとって、第1次大戦はミステリーそのものであった。本の中で彼は「どうして欧州が1914年の戦争に及んだかを自問してみると、理性にかなうただ一つの理由、ただ一つの動機も探すことはできない」と書いた。理性的な目で見れば到底起きるはずがなく、起きてはいけない戦争が第1次大戦であったということだ。