この２年間で権力序列１８位から２位に急上昇した崔竜海（チェ・ヨンヘ）人民軍総政治局長と姿を現さない金敬姫（キム・ギョンヒ）労働党書記。１７日に平壌（ピョンヤン）体育館で行われた金正日（キム・ジョンイル）死去２年の追悼大会で確認された「３年目の金正恩（キム・ジョンウン）体制」権力地形のうち、最も目を引く点だ。

この日午前１１時から北朝鮮朝鮮中央テレビが生中継した追悼大会で注目されたのは、金正恩の左隣に座った崔竜海だった。昨年の追悼行事では金正恩の左側２番目に座っていた。金正恩の右側に北朝鮮憲法上の国家首班として対外的な象徴性を持つ金永南（キム・ヨンナム）最高人民会議常任委員長が座ったという点からみて、崔竜海がナンバー２として公認されたことを公式化したのだ。

崔竜海は昨年に続き２年連続で北朝鮮軍を代表する演説もした。金正恩を修飾する言葉は派手だった。「最も崇高な道徳義理と高潔な忠誠を持って首領永生偉業の新たなページを開かれた敬愛なる最高司令官」とし「千重万重の城塞、盾となり、偉大な金正恩同志を首班とする党中央委員会と錦繻山（クムスサン）太陽宮殿を決死保衛する」と述べた。また「敬愛なる最高司令官の金正恩同志以外には誰も知らず、どのような天地波風の中でもただ一人の最高司令官同志だけを仰いでいく」と誓った。これは「国家転覆陰謀行為」で処刑された張成沢を意識したものと分析される。

崔竜海は前日、錦繻山太陽宮殿広場で開かれた金正恩に対する軍の忠誠を誓う集会でも演説した。崔竜海は「１９５０年代の峻厳な試練の時期、偉大な首領様の権威をけなそうとする反党分子を容赦なく殺すと秋霜のように叫びながら拳銃を取り出した抗日革命闘士を見習い、金正恩委員長の領導に従わない者を探し出して処断する」と強調した。

崔竜海はパルチザンだった崔賢（チェ・ヒョン）の息子。崔賢が金日成執権当時の５６年の党中央委員会全員会議で、拳銃を取り出して金日成に立ち向かったソ連派と延安派の勢いをへし折ったエピソードを思い出させながら、「代を引き継いで金氏一家に忠誠をつくす」という忠誠決心をしたという分析だ。

一方、金正恩の叔母で金国泰（キム・グクテ）国葬葬儀委員として６番目に名を連ねた金敬姫（キム・ギョンヒ）は、夫の張成沢処刑後に開かれた最初の公式行事に姿を現さなかった。昨年金敬姫が座った席（金正恩の右３番目）には金日成のパルチザン同僚の黄順姫（ファン・スンヒ）朝鮮革命博物館長（９４）が座った。これに関し、統一研究院のチェ・ジンウク研究委員は「黄順姫を金敬姫が座った席に配置したのはパルチザンの伝統を強調するためであり、張成沢は白頭血統やパルチザンでないことを強調し、区別するための意図」と解釈した。

張成沢処刑を主導したと知られる金元弘（キム・ウォンホン）国家安全保衛部長（右側８番目）と超延俊（チョ・ヨンジュン）党組織指導部第１副部長（右側１４番目）も２年連続でひな壇に姿を見せた。ただ、席はほとんど変わらず、公式序列上では大きな変化がないことを表した。


崔竜海、ナンバー２に公認…張成沢ラインはまだ変化なし（２）