【社説】韓中葛藤の要因となった防空識別圏
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.11.29 10:31
中国政府が宣言した防空識別圏を是正してほしいという韓国側の要求を中国が拒否した。昨日ソウルで開かれた第3回韓中国防戦略対話で、韓国側は中国の一方的な防空識別圏宣言に強い遺憾を表し、是正を要求した。しかし中国は韓国の要求を受け入れられないという立場を明確にした。東中国海(東シナ海)、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる日中間の領土紛争で触発した葛藤が韓国にも飛び火し、韓中間の葛藤に広がる様相だ。
中国は先週末、尖閣諸島が含まれる東中国海一帯を自国の防空識別圏と宣言し、韓国が実効的に管轄している離於島(イオド)も含めた。韓国の防空識別圏を一部侵犯したりもした。会談で政府は、韓国側と事前協議なく一方的に宣言した中国の防空識別圏は認められないという立場を明確にした。中国の今回の措置で離於島に対する韓国の管轄権は影響を受けないという点も明確にした。国益保護のため離於島にまで韓国の防空識別圏を拡大することを検討していると明らかにし、一部の重なる区域については是正を要求した。正当で当然の要求をしたと判断する。
政府はこうした立場に基づき、これまで通り韓国海軍の海上哨戒機(P3-C)を離於島に送り、中国に事前通報をしなかった。もし中国空軍機が対応発進し、離於島の上空で両国間の衝突が発生すれば、これは全面的に防空識別圏を一方的に宣言した中国側の責任だ。韓国の防空識別圏を離於島まで拡大する問題は、中国だけでなく日本とも関係がある問題だ。離於島は1969年以降、日本の防空識別圏に含まれてきた。防空識別圏拡大の不可避性を日本にあらかじめ説明することで、この問題が韓日間の新たな葛藤要因にならないようにする必要がある。