【時視各角】「パク・ウンソン・リスク」 危険の三角形=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.11.15 16:34
サッカー選手パク・ウンソンの性別をめぐる騒ぎは過去の記憶を呼び起こした。1989年夏、全羅南道の霊光であった無脳児事件だった。記者は命令を受けて激論の地へ行った。霊光原発の職員の夫人が無脳症の子どもを流産したのが発端だ。その名前からして鳥肌が立つ無脳症の誘発者が放射能だと、環境団体は激しく主張した。メディアはろ過なく危機のメッセージを広めた。
取材を繰り返すほど気が抜けた。原発の職員は社宅の警備員だった。勤務記録を見ても放射線区域で勤務したことはなかった。産婦人科の専門家を訪ねた。全国的に妊婦1000人に1-6人の割合で無脳児を流産するという衝撃的な話も聞いた。無脳児と放射線をつなぐ常識の綱はないように見えた。電力当局は突然出没したメッセージに戸惑った。その間に反核デモが広まった。
危機と危険は双子ではない。危機管理に失敗すれば危険になる。一方、危機をうまく乗り越えればより大きな平和を得る。では、どんなイシューが危険になり、どんなイシューが平和になるのだろうか。その後、安眠島放射性廃棄物処理場事態、BSE(牛海綿状脳症)波紋などを現場で見ながら、胸中に“危険の三角形”を持つようになった。危険という図形は少なくとも3つのことが会った時に描かれるという小さな悟りを得たのだ。