【コラム】韓日関係、政治に振り回されるべきでない(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.11.13 09:30
先週、日本からある客が韓国を訪問した。日本茶道の最大流派・裏千家の元代表で現大宗匠である千玄室氏だった。満90歳。日本茶道界の最高権威者だ。韓国中央大で博士学位を受けた千玄室氏は1984年、ローマ法王を謁見し、バチカンの大聖堂で献茶式を開き、話題になった。98年には金大中(キム・デジュン)大統領の招待で青瓦台(チョンワデ、大統領府)を訪問し、長い対話をした。今年4月には米国会議事堂で上・下院議員を相手に茶会を開いた。日本政府の「文化外交」の看板スターということだ。
訪韓中の千玄室氏と昼食を一緒にする機会があった。金容雲(キム・ヨンウン)元韓日文化交流会議委員、孔魯明(コン・ロミョン)元外交部長官、鄭求宗(チョン・グジョン)東西大日本研究センター所長が出席し、別所浩郎駐韓日本大使も同席した。私を除いては、たとえ立場は違っても、現在の冷え込んだ韓日関係を誰よりもよく知り、悲しんでいる方々だ。しかし対話では、両国政治家・メディアの間で取り上げられる懸案は一言も出てこなかった。その代わり茶と両国の古代史の話をした。古代百済人が日本に集団移住した事実、天皇(明仁)が2001年に「桓武天皇の生母は百済武寧王の子孫」として母系の百済由来説を告白した話、千玄室氏の先祖で現代日本茶道の創始者・千利休(1522-91)が豊臣秀吉の朝鮮侵略に反対して切腹を命じられたという説などが話題になった。