【コラム】私たちは“凋落”の種をまいているのか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.09.10 17:24
夏が過ぎ去ったことも分からなかった。李石基(イ・ソッキ)と彼の一味の行動に舌打ちして不愉快になり、そろそろあの国家的騒動にうんざりした頃、秋はつかつかとやって来ていた。1980年代にまかれた矛盾の種が毒キノコのように広がって、結局、権力の橋頭堡を構築して中心部をうかがっていたのだ。今では大衆的な嫌悪が深くなり“思乱”程度に終わる従北勢力がこの地に自生した理由は、全斗煥(チョン・ドゥファン)政権の剛性独裁にあったという事実を新たに喚起したい。歴史は種をばらまいた通りに収穫をおさめる。従北勢力は消えていくが、私たちの子供の未来を踏みにじるさらに深刻な種をばらまく現在の風景に目を向けなければならない。
現代(ヒョンデ)自動車のストライキを見ながらそんな気がした。凋落したデトロイトと蔚山(ウルサン)を思い重ねた人は1人や2人ではなかった。基本給と福利厚生費が入り乱れた通常賃金攻防が法廷争いに広まった韓国、栄えた産業基地が近い将来、雑草の生い茂る空き地に変わるかも知れないという思いになった。景気は最悪なのに徴税に熱を上げる政府、四分五裂した隊列を野営野宿で収拾しようとする野党の路上政治では、韓国の行き詰った通路を突き抜けることはできないという悲観が先んじた。全て子供たちの未来をむしばむ種をまいているという点で共通している。