【コラム】韓国「クネノミクス」より中国「リコノミクス」に目が行く理由
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.15 11:26
中国経済には原初的な問題がひとつある。「真の不況を経験していない」ということだ。深刻な景気不況に直面したらどのようなことが起きるのかだれもわからない。権力の正当性を経済に求めなければならない共産党指導部に不況はすなわり「恐怖」でもある。ゆえに景気が悪化すると思えば政府はすぐ金融を緩和する。2008年の世界金融危機の際に約4兆元規模の浮揚策を出したのが代表的な事例だ。おかげで指標は輝かしかったが経済の内部は腐った。設備過剰、不動産市場過熱、シャドウバンキングなどがそれにより生じた慢性病だ。中国経済の典型的な発展像だ。
ところでこのところ正反対の現象が広がっている。経済は明らかに沈滞局面に陥っているのに当然出てこなければならない浮揚策が提示されないことだ。新政権が樹立されれば(3月)景気再生に出るという見通しははずれた。政府はかえって「改革」という名前で経済をさらに引き締めている。先月20日に起きた「コール金利事態」はその過程で起きたものだ。資金難に直面した銀行は中国人民銀行(中央銀行)に金融を緩めるよう求めた。しかし李克強首相が「乳母論」を挙げブレーキをかけた。「中国人民銀行はこれ以上都市銀行が乳を求めて泣けば乳をあげる乳母ではない」という話だった。放漫な資金運用で資金難を自ら招きながら人民銀行に手を差し伸べる形態を直すという改革意志だった。