新日鉄住金の徴用被害者4人に1億ウォンずつ賠償、初めての判決
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.07.11 08:43
白いワイシャツとズボンの正装で傍聴席に座っていたヨ・ウンテク氏(90)は、裁判中ずっと言葉がなかった。裁判長の判決宣告が終わったのに立ち上がろうともしなかった。周囲の人々が何回か「おじいさんが勝たれましたよ」というとようやく、耳がよく聞こえなかったようでゆっくり席から立ち上がった。
日帝強制占領期間だった1943年。20歳の血気盛んな青年ヨ氏は、日本製鉄の大阪製鉄所が工員を募集するという広告を見て日本に渡っていった。2年間技術を習得すれば韓国の製鉄所に就職させてあげるという条件だった。だが、その後2年間、彼は月給もまともに受け取れず半監禁状態で酷使された。結局1945年の日本からの解放後に放免されることができた。
以後、溶接仕事をして生計をつないできたヨ氏は1997年12月、日本の大阪地方裁判所に日本製鉄の後身である新日鉄住金(旧・新日本製鉄)などを相手に強制徴用被害の賠償を求める訴訟を起こした。2003年、日本の最高裁判所まで上告したが全て敗訴した。彼は再び韓国の裁判所に訴状を出した。1、2審の判決は「日本の確定判決の効力が大韓民国でも認められる」として棄却した。だが昨年5月、最高裁は「日本の判決は植民支配が合法的だという前提で下したもので、大韓民国の憲法の価値と相いれず、受け入れることはできない」として、原審を破棄してソウル高裁へ差し戻した。損害賠償を請求できる権利が認められたので慰謝料額を算定しろとの趣旨であった。