科学観測データを24時間送り続ける韓国・離於島海洋科学基地(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.06.18 10:30
北緯32度07分22.63秒、東経125度10分56.81秒。済州(チェジュ)・馬羅島(マラド)から西南に149キロメートル離れた海上に高さ36メートルのオレンジ色の鉄骨構造物がそびえ立つ。一見すると石油ボーリング施設のような姿。2003年に竣工し今年で満10年を迎えた韓国の「離於島(イオド)海洋科学基地」だ。海流や流速などを測定する36種類68点の科学観測装備が24時間測定データをムグンファ衛星に送信している無人科学基地だ。
離於島は「島」という名前だが、島ではない。頂上が水面下4.6メートルにある水中暗礁だ。10メートル以上の波が打つ時にかろうじて島の存在を確認することができる。昔の済州の人々に離於島は「行けば帰ってこられない所」、または「理想郷」と伝えられた。丸木船に乗って行き離於島を見たということは、10メートルを超える波で難破したという話だ。
今月15日、西帰浦(ソグィポ)港から船に乗り5時間かけて到着した離於島基地は数十メートル前も見通すのが難しいほどの霧に包まれていた。5階分の階段をどうにか上がった。最上部のヘリコプター着陸場に到着すると、濃い霧の向こうから古いディーゼルエンジンの音が騒がしく聞こえる。時々中国語の話し声が聞こえ、霧がしばし消えると中国の国旗である赤色五星紅旗を掲げた中国漁船が目に映った。韓国海洋警察の1500トン級武装艦艇1501号が時々サイレンを鳴らすが取り締まりはない。中国漁船が離於島基地に接近するのを防ぐ目的だけだ。離於島海域は中国より韓国が近いが、韓国漁船は収支が合わず訪れない。中国沿岸の乱獲で水産資源が枯渇すると中国漁船は離於島の漁場にまで進出しているのだ。