「米国のアジア回帰は誇張…バランシングが適切」(1)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2013.06.06 17:18
一部の政治学者は、紀元前5世紀のペロポネソス戦争が「トゥキディデスの罠(Thucydides Trap)」のために勃発したと指摘する。アテネの浮上に対してスパルタが感じた不安感が戦争の原因ということだ。2013年上海フォーラムに演説者として出席したロバート・ゼーリック元世界銀行総裁(2007-2012)はトゥキディデスの罠を引用しながら、米国は21世紀のスパルタになる意思がないことを明確にした。米国が中国に望むのは対話・協力・繁栄ということがゼーリック氏の発表文の要旨だった。まだ課題は多いが、中国の習近平国家主席が昨年の訪米中に主張した「新しい類型の強国関係」とオバマ大統領が3月に出した「既存強国と新興強国関係の新しいモデル」の間に接合点があるという話だった。現在ハーバード大ケネディスクールのシニアフェローのゼーリック氏に先月26日、上海でインタビューした。
--米国のアジア回帰(Pivot to Asia)政策が中国を刺激し、両国を「トゥキディデスの罠」に陥れないだろうか。
「経済・安保分野で占めるアジア・太平洋の重要性を考慮すれば、アジア回帰は理に適うものだが、この表現には誇張がある。バランスを取る(balancing)という表現が適切だ。米国は中東を離れない。中東を離れてアジアに行くのではない。米国が中国に伝えようとするメッセージは、過去60年間に米国が韓国・日本・台湾・フィリピンと結んだ安保関係がこの地域の安定に重要だということだ。また影響力が増大した中国がこの地域の隣国に不安を抱かせてはならないということだ」