【社説】5・18光州民主化運動への根拠のないわい曲を糾弾する
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.20 17:08
光州(クァンジュ)民主化運動、いわゆる光州事件33周年に際し、根拠のない北朝鮮介入説が流布している。身分が不明確ないくつかの北脱出者の主張が、選り分られないまま一部の放送とインターネットで伝播した結果だ。内容はすなわち、光州民主化運動が北朝鮮特殊部隊のけしかけと介入にともなう暴動というものだ。5・18当時、600人規模の北朝鮮軍特殊部隊1個大隊が浸透して全南(チョンナム)道庁を掌握し、これを戒厳軍が鎮圧する過程で多数の死傷者が出たという主張だ。これがインターネット掲示板やコメントなどを通して急速に広がりながら脚色に脚色を重ねている様相だ。
もともと光州に北朝鮮軍が浸透して暴動を起こしたという主張は当時クーデターで権力をにぎった新軍部の自己防御論理であった。実際に北朝鮮軍が扇動したとか、デモに介入したという証拠があるならば新軍部が黙っているだろうか。当時戒厳司令官として鎮圧作戦を主導したイ・ヒソンも後ほど北朝鮮軍介入説が誇張されていたと認めたことがある。また、2007年の国防部過去の歴史真相究明委員会は新軍部がこの光州事件を不純分子や北朝鮮の定着スパイによる計画的な狼藉として歪曲したと指摘した。今、北朝鮮介入説を提起するのは33年前に新軍部が試みた世論操作を、この広く明るい世の中に繰り返そうとしているわけだ。
歳月が流れて民主化が進行しつつ光州事件の真相と事実関係についてはすでに整理作業が行われた。当時の犠牲をいしずえに私たちが民主主義を成し遂げたということは国民誰もが共感している。そんなところに突然「北朝鮮軍が介入した」というデマをまき散らすのは、犠牲者と遺族たちを侮辱する人倫に背く行為だ。民主化運動の精神を根こそぎ否定する反民主的な挑発行為でもある。