【コラム】国格と国益の間=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.14 17:31
先週末、大韓民国に広がった尹昶重(ユン・チャンジュン)前青瓦台(チョンワデ、大統領府)スキャンダルを見ながら、突然「関心の不均衡」という言葉が思い浮かんだ。記者会見場で彼に向けられたカメラのフラッシュの音は首脳会談にも劣らなかった。国格毀損事件であるだけに当然だ。しかし国格ほど重要な他の国家的懸案はどうか。
先月、空軍の劣悪な戦闘機部品実態を取材した当時のことを思い出す。米国に流出する23兆ウォン(約2兆円)を減らそうとすれば部品の一部でも国産化すべきだという空軍の一部の声に共感して取材を始めたが、複雑な気持ちになった。空軍の戦闘機整備担当が「部品は長ければ3年ほど供給されない」と話した時は胸が痛んだ。そんなことがありえるのか。怒りを感じた。部品がなければ飛行機はどうなるのか…。調べてみると、その通りだった。あきれるしかなかった。
こうした戦闘力低下現象を記事にしようとすると、空軍側は「その内容は書かないでほしい」と要請した。空軍関係者は「月を指せば手を見る」という現実のためだと説明した。劣悪な現実を告発しても、戦闘力関連内容を書けば趣旨が歪曲されて、対策議論よりも「空軍は何をしているのか」という非難だけが強まり、魔女狩りが始まるという懸念のためだった。