【コラム】韓国の金持ちに必要な徳目
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.14 15:32
お金で買えないものはあるだろうか。最近はお金の力が非常に強く、ほとんどすべてのものをお金で買うことができる。結婚はしたくないが赤ちゃんが欲しい場合は代理母を通じて生むことができる。米国では、1日に90ドル程度支払えば監獄でも快適で静かな刑務所生活を送ることができるという。
それではお金がたくさんあれば幸せだろうか? もう少し具体的に「たくさんのお金を子どもたちに譲れば彼らは幸せになれるのだろうか?」その答えは推測の通り「なれない」だ。銀行で富豪の顧客を専門的に担当するプライベートバンキング(PB)のマネージャーとして長く勤務した人が伝える事例を紹介しよう。顧客の中で何百億という財産を持つお年寄りがいた。子女はとくにこれといってしていることはなく、事業を起こしたりたたんだりしていた。事業を成功させるというよりは、いつ親から財産を譲ってもらえるだろうかということに気を使っているような雰囲気で、両親はいつも落ち着かなかったと言う。
お金と子女の良い循環関係は何だろう。お金は子女に必要な教育や訓練を充分に受けさせてやれるように“肥料”の役目をする程度にとどめなければならない。基本的な素養を育てることを疎かにして子女に財産だけを残せば、ややもすると不幸を譲ってしまうおそれがある。することもはっきりした目標もなく、両親から譲られた財産で歳月を過ごす子女の人生はきっと幸せではないはずだ。人生を充実して生きていくということは、財産の多い少ないではなく、自分が好きな事をしながら生きていくということだ。