【取材日記】一点の光として残った開城工業団地を生かすべき
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2013.05.02 14:48
記者が西部戦線最前方の都羅(ドラ)展望台に到着したのは先月30日午後7時10分。開城(ケソン)工業団地がひと目で見渡せるところだ。ソウル竜山(ヨンサン)国防部から直線距離で48.1キロ離れたところで、行政区域上では京畿道坡州市長湍面だ。開城工業団地の左側にあるジンボン山の裾にかかった夕日は周囲を赤く染めていた。日没直前、最後を燃やすような姿は、1枚の絵のようだった。
しばらくして山の麓の平地に視線を移した。工業団地は何度も瞬きをして集中してこそ見えるほどみずぼらしい姿だった。先日まで街路灯と職員を乗せて行き来する自動車の光で不夜城をほうふつとさせたというのが、案内人の説明だった。何度も開城工業団地に行っている記者にも、このように暗くて寂しい開城工業団地には違和感を感じた。中立国監視委員会に派遣された外国の軍人もこの姿を見て「とても暗い(dark, very dark)」を連発した。普段は工業団地の明るさのため見えなかった、ジャナム山裾の金日成(キム・イルソン)主席の銅像を照らす明かりだけが光っていた。