１９５３年創設当時、韓国海洋警察は海軍から譲り受けた１８１トン級の小型警備艇６隻がすべてだった。 しかし領海を侵犯した日本の漁船を拿捕するうえで特に問題はなかった。 第２次世界大戦敗戦国だった日本は当時、装備もみずぼらしく、大きな声を出せる状態ではなかったからだ。 しかし経済大国になってから事情は変わった。

韓日海洋警察の戦力の差は「シンプン号」事件と「独島（ドクト、日本名・竹島）測量船」事件で表れた。 ０５年６月、日本の排他的経済水域（ＥＥＺ）を侵犯した韓国漁船「シンプン号」をめぐり、海洋警察警備艦と日本海上保安庁の巡視艦が対峙した。 ０６年４月には日本が独島に測量船を派遣すると明らかにし、１８隻の海洋警察警備艦艇が独島海域に出動した。 両事件ともに対峙の末、日本側が退いて解決した。 しかし当時、海洋警察は１０００トン級以上の大型艦が日本海上保安庁に比べてかなり不足していた。 劣勢にならないよう他の地域の大型警備艦まで動員しなければならない状況だった。 また、２５０トン級以上の中大型警備艦の５４％は船の使用年数が２０年以上経過していた。

海洋警察の戦力を増強したのは盧武鉉（ノ・ムヒョン）前大統領だった。 ０６年、当時の盧大統領の主導で、民間資本を引き込んで新型警備艦を建造する「亀甲船ファンド」事業が導入された。 これを基盤に２０１０年までに新型警備艦３４隻を就役させた。 １０００トン以上の大型艦も０６年の２２隻から１２年には３３隻に増えた。 航空機２３機も保有している。

しかし安心できるレベルではないというのが専門家の意見だ。 最近、日本と中国が海洋警察勢力を増強しているからだ。 日本海上保安庁は昨年、中国と紛争中の尖閣諸島（中国名・釣魚島）を守るとして、大型巡視船６隻の追加建造予算を確保した。 また今年は６５００トン級の巡視船を出し、３０００トン級の老朽船２隻を修理して寿命を１５年ほど延長することにした。

中国の海監総隊は１９９８年に設立され、まだ大型海洋監視船は９隻にすぎない。 しかし２０１５年までに計３６隻の最新海洋監視船を導入する計画だ。 昨年３０００トン級海洋監視船３隻を導入したのに続き、今年５０００トン級４隻、３０００トン級５隻をそれぞれ配備することにした。 また１１隻の退役軍艦を海洋監視船に改造した。 昨年、韓国の離於島（イオド）を海洋監視船と航空機・無人航空機の定期巡察対象に指定した。

中国農業省傘下の漁政（韓国の漁業管理団該当）は隠れた変数だ。 昨年１２月に５８００トン級の漁政船（漁業管理船）を就役させたのに続き、２０１５年まで１万トン級の漁政船２隻を進水させる計画だ。 大型漁政船は尖閣諸島を中心に配備される予定だが、韓国の離於島沖も定期的に運航する可能性がある。

これに対抗し、韓国海洋警察は来年まで大型ヘリコプターを導入し、２０１６年に５０００トン級の大型警備艦１隻を追加で進水させる計画だ。 李康徳（イ・ガンドク）海洋警察庁長官は「現在はまだ対抗できるレベルだが、勢力増強に取り組まなければ５年後には日中との差が大きく開くかもしれない」と述べた。