韓国T-50操縦士の葬儀を見た整備士上官が自殺
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.12.01 13:32
整備担当副士官のミスが生後8カ月の娘がいる30歳代の空軍操縦士の命を奪った。さらに整備不良の責任を感じた監督官が自ら命を絶った。悲劇の原因になったのは10センチの長さの細い遮断線だった。江原道横城郡の野山で11月15日午前に墜落したブラックイーグル航空機(T-50B)事故調査の結果だ。
30日の空軍によると、計器盤担当整備士のキム中士(32)は墜落事故の3日前、航空機の上昇・下降を制御するピッチ(pitch)操縦系統を整備したが、この装置に差し込んだ遮断線を抜き忘れた。通常、航空機離陸前にピッチ操縦系統の正確な計測のため、長さ10センチの細い遮断線を差し込んでシステムを停止させた後、整備する。整備を終えた後には必ずこの遮断線を抜かなければならないが、これをそのままにしていたのだ。
事故の前、ブラックイーグルは第8戦闘飛行団(江原道原州基地)を離陸して上昇する間、機首がずっと下降する異常現象が生じた。操縦士の故キム・ワンヒ少領(32)は操縦桿を最後まで引いて上昇姿勢を維持しようとしたが、900メートル上空から急激に機体が落ち始めた。航空機は離陸後1分38秒で墜落し、キム少領は350メートル上空で非常脱出を試みたが、機体から抜け出せず9秒後に地上に落ちて殉職したと、事故調査団は明らかにした。目撃者の証言とは違って空中火災はなく、事故機のエンジンは正常に作動するなど機体の欠陥は発生しなかったと、空軍は説明した。