【噴水台】小説「太陽の季節」と政党「太陽の党」の間、埋めるのが難しい間隙
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.11.16 08:43
辛東門(シン・ドンムン、1927-1993)は詩人であると同時に卓越した出版企画者だった。盲目的な反共イデオロギーが激しかった時期に崔仁勲(チェ・インフン)の問題作「広場」が輝いたのは、まさに辛東門の勇気と見識のおかげだった。辛東門が企画し、新丘文化社が出版した「世界戦後文学全集」(1960年)は、大韓民国の文壇と知性界に大きな刺激を与え、滋養分の役割をした。
辛東門は戦後文学全集第7巻(日本編)に掲載された太宰治の代表作「斜陽」の翻訳もした。日本編に含まれた小説の一つが、石原慎太郎前東京都知事の出世作「太陽の季節」だ。石原は大学生時代の1955年に発表した「太陽の季節」で、翌年、権威ある文学賞「芥川賞」を受賞した。上の世代の価値観に反抗する若者の奔放な人生を描写した「太陽の季節」は、日本で“太陽族”という新語を生み出すほど人気を呼んだ。流行していたロックンロール音楽とも相性が合った。