【コラム】キム・ヨナ事件から見る韓国の告訴乱発の風潮
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.06.20 09:17
黄相旻(ファン・サンミン)教授に対するキム・ヨナの告訴は結局ハプニングで終わった。 「教育実習はショー」という黄教授の発言はキム・ヨナを不快にしただろう。くやしくもあっただろう。だが、この問題を刑事問題に持ち込んだことに対しては同意しがたい。大学生が教授をどうして告訴できるのかという次元の話ではない。いつからか韓国社会では刑事告訴をとても軽く考える告訴万能主義がはびこっている。
告訴は相手を前科者にするという強力な警告効果がある。そのため非難やネット上での攻撃に苦しめられる公人には有力な防御手段だ。憲法上の権利でもある。だが、それほどの強力な効果は告訴が自制されるべき理由でもある。人格がひどく傷つけられ他の方法では到底回復できない時、それで本当に加害者に対する刑事処罰を望む時に使う例外的手段だ。ところがキム・ヨナは弁護士を通じ、「これは正直なところ法廷にまで行く事案ではない。真の謝罪があるならばいつでも告訴を取り下げる」と話した。キム・ヨナ自ら処罰よりは刑事司法制度を利用して謝罪を引き出すという内心を表わしたもので適切ではなかった。結局15日に告訴を取り下げた。