セヌリ党の大統領候補らは北朝鮮に訪問した際、どんな話をしたのか。１１日、北朝鮮が韓国大統領候補の「親北言動」を公開すると脅迫した。

最も関心を引く人物は金正日（キム・ジョンイル）に会ったセヌリ党の朴槿恵（パク・クネ）元非常対策委員長だ。朴槿恵氏は０２年５月１１日から３泊４日の日程で平壌を訪れた。欧州コリア財団理事の資格で北朝鮮民族和解協議会の招待を受けたからだ。当時、朴槿恵氏はハンナラ党を離党し、韓国未来連合の創党を準備していた時期だったため、電撃訪朝は政界に波紋を起こした。

金正日は自分の専用機を中国・北京に送って朴槿恵氏を乗せるなど手厚く待遇した。５月１３日晩、金正日が予告なしに朴槿恵氏の宿舎である百花園迎賓館を訪れた。朴正煕（パク・ジョンヒ）元大統領の長女と金日成（キム・イルソン）主席の長男の歴史的な対面だった。２人は速記士１人だけを同席した状態で１時間ほど面談した。朴槿恵氏は０７年に出した自叙伝で「金正日総書記は率直でストレートな人だった。話法と態度が印象的だった」と描写した。

金正日は１９６８年、北朝鮮軍特殊部隊の１・２１青瓦台（チョンワデ、大統領府）襲撃事件についえ、「当時の極端主義者が誤ったことをした。申し訳なく思う。その問題を起こした人たちはすべて応分の罰を受けた」と謝罪した。

朴槿恵氏が提案した離散家族常設面会所の設置と金剛山（クムガンサン）ダム南北共同調査の進行に対しては、その場で受け入れる意向を表した。特に朴槿恵氏が「答礼訪問をすることにしただけに、その約束を守ってはどうか」と話すと、金正日は適切な機会に行くと答え、朴正煕元大統領の墓を参拝すると述べたという。２人は南北鉄道の連結、南北スポーツ交流についても意見を交わした。

朴槿恵氏は学生少年宮殿、平壌（ピョンヤン）産院、チャンガン幼稚園、牡丹（モラン）峰など平壌のいくつかの施設を訪問したが、万景台（マンギョンデ）金日成生家や金日成の遺体が安置された錦繻山（クムスサン）記念宮殿は訪問しなかったという。朴槿恵氏は板門店（パンムンジョム）を通って陸路で戻った。

朴槿恵氏は自叙伝で「北側と率直に対話をすれば、北側も約束した部分について守るべきことは守ろうと努力する。私は訪朝を通じてこうした確信を得た」と書いた。実際、北朝鮮はそれ以降、しばらく朴槿恵氏を意識する態度を見せた。０４年末にハンナラ党が国家保安法廃止に反対した当時、北朝鮮メディアは当時の金徳竜（キム・ドクリョン）院内代表を激しく非難したが、朴槿恵氏に対しては言及しなかった。そして２０１０年の韓国哨戒艦「天安（チョンアン）」・延坪島（ヨンピョンド）事件で朴槿恵氏が対北朝鮮強硬路線を明確にすると、北朝鮮は朴槿恵氏に対する攻撃を本格化した。

鄭夢準（チョン・モンジュン）議員は９９年と００年に平壌を訪問した。２度とも大韓サッカー協会長の資格だった。９９年の訪問当時、鄭議員は朴明哲（パク・ミョンチョル）内閣体育指導委員会委員長らに会い、０２年ワールドカップ（Ｗ杯）共同開催案を議論したが、金正日には会えなかった。００年には６・１５南北首脳会談特別随行員として訪問した。

金文洙（キム・ムンス）京畿道（キョンギド）知事は０４年、ハンナラ党国家発展戦略研究会所属の議員と７・４南北共同声明３２周年記念行事に出席するため金剛山（クムガンサン）を訪問し、翌年には金剛山地域で北朝鮮の煉炭ボイラー支援活動を行った。知事当時の０８年には北朝鮮の開城（ケソン）を訪問し、北朝鮮側とともに苗木生産のための養苗場竣工式を開いた。金知事は平壌に行ったことはなく、北朝鮮の核心人物と会ったこともない。金知事は０４年の訪朝当時、北朝鮮軍人の姿を写真で撮り、現場でカメラを押収された。現代峨山（ヒョンデ・アサン）の金潤圭（キム・ユンギュ）社長が釈明したが、北側は写真を削除できないとしてカメラを奪ったという。