【中央時評】韓日中FTA、米国の利益を脅かす?(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.05.21 15:34
14日、李明博(イ・ミョンバク)韓国大統領、野田佳彦日本首相、胡錦濤・中国国家主席が第5回韓日中首脳会談を開き、韓日中自由貿易協定(FTA)交渉を開始すると発表した。 これに関し、私は今週ワシントンの戦略国際問題研究所(CSIS)で開かれた「アジア・太平洋経済統合セミナー」で、「韓日中FTAは米国の利益を脅かすのか」という質問を聴衆に投じた。 驚くことに、米国人聴衆のおよそ半分がそうなると述べた(討論会の内容はwww.csis.orgに掲載されている)。 私はこうした懸念は違うと考える。
まず、韓日中FTAを議論してきた期間が非常に長かったにもかかわらず、交渉を開始するという公式決定は3カ国首脳会談開催国の中国政府によって最後の瞬間に行われた。 中国が突然受け入れた理由は何か。 経済的な理由よりも戦略的な理由だ。 中国は昨年、日本が環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加すると表明したことに驚いた。 韓米自由貿易協定を包括するTPPが、中国の影響力を強化させるアジア領域内の交渉よりも推進力があることを認識したからだ。 中国の最初の反応は、TPPは中国を牽制するためのものという非難だった。 しかしゼロサム思考方式を明らかにした中国の反応は、日本や他国のTPP交渉意志を弱めることはできなかった。 結局、中国はTPPから排除されていることに不平を言うよりも、アジア領域内のFTA交渉を促進させるほうがよいと判断したと考えられる。 この点がまさに貿易自由化の核心だ。 すなわち、すべての国に貿易障壁の強化ではなく、貿易障壁を低めてゲームに参加させる触発効果がある。