【コラム】北朝鮮の衛星発射、撃つなら撃て(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.03.30 16:29
‘不和の女神’エリスがタイミングよく投げた黄金のリンゴがなかったら、気の抜けた行事になるところだった。 先日幕を下ろしたソウル核安全保障サミットのことだ。 海の女神のテティスと地上の英雄ペーレウスの結婚式に招待されなかったエリスは、「最も美しい女神に」と書かれた黄金のリンゴを賀客の間に投げ入れる。 お互い自分がリンゴの持ち主だと主張するオリンポスの女神3人のプライド対決で一大騒ぎとなり、パーティー場は乱闘場に変わった。
核物質がテロリストの手に渡って災難を招く破局的な事態を防ごうという趣旨で始まった核安全保障サミットは、大衆の関心を集めるのが難しい行事だ。 核物質防護条約(CPPNM)、世界核テロ防止構想(GICNT)など、あらゆる専門用語が乱舞するうえ、扱う懸案自体が一般人の肌に感じにくいからだ。 首脳の間で駆け引きするドラマがあるわけでもない。 事前にシェルパーが準備した脚本に基づいて演技をし、写真を撮れば終わる参加者だけの祭りだ。 不和の女神を自任した金正恩(キム・ジョンウン)が投げ込んだ「光明星3号」という黄金リンゴのおかげで、ソウル核安全保障サミットは世界メディアの注目を受け、なんとか興行に成功した。