「再装填なくトラックから12発」 北放射砲の威力は…
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.02.22 14:36
北朝鮮が射程距離170キロにのぼる300ミリ多連装ロケット砲(放射砲)を開発したのは、有事の際、平沢(ピョンテク)の在韓米軍基地を打撃するという意志と考えられる。 ソウル竜山(ヨンサン)に駐屯した米軍が2016年に直線距離で65キロ以上南に離れた平沢に移れば、北朝鮮の従来の放射砲(最大射程距離90キロ)の射程圏から外れる。 北朝鮮にとっては攻撃力の低下を意味する。
新しく開発した放射砲はこの空白を埋めるためのものとみられる。 北朝鮮が1980年代半ばに開発した240ミリの放射砲は首都圏を脅かす最も効果的な武器だった。 こうした状況で在韓米軍基地が平沢に移転するのは、有事の際に平沢を根拠地に反撃戦力を再編成し、相対的に安全な地域で戦争を遂行するという意味だった。 また有事の際、韓半島で米国の自動介入を招く「引継鉄線(tripwire)」の役割を次第に縮小するという象徴性も反映されている。
しかし北朝鮮の新武器開発でこうした韓米戦略は支障をきたすことになった。 黄海道(ファンヘド)近隣から砲撃しても平沢は十分に射程圏内に入る。 休戦ライン付近から発射すれば韓国の陸海空3軍統合基地がある鶏竜台(ケリョンデ)にも砲弾が落ちる。 軍当局者は「一回で集中砲火が可能な多連装砲の射程距離が長くなれば、後方移動の意味がない」と述べた。