【社説】国民を図々しくさせる政治
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.11.06 12:04
地中海の近くに天国のような国があった。そこではすべての国民が惜しみなく金を使った。ほとんどの会社員が午後3時以前に「定時退社」した。夏休みは1カ月以上ずつあり十分に楽しんだ。神の祝福のようにこの国では天気まであきれるほど良かった。会社が赤字の場合も少なくなかったが労組があまりにも強く解雇される可能性はほとんどなかった。学費もやはり大学院まで無償なので心配する必要がなかった。その上定年退職すれば会社勤めしていた時にもらっていた給料に迫る年金が出た。子どもの教育や老後を心配しながらお金を節約し熱心に貯蓄のようなことをする必要もなかった。病院であれ、教育であれ、職場であれ、老後であれ、天国の代わりに国がすべてやってくれたから。ところが気づいてみるとそのほとんどが他の国からの借金でしたものだった。借金が雪だるま式に増えるため借金取りが叫んだ。「これ以上お金は貸せない。これからはお前たちも緊縮して仕事をしろ」。当然の要求だった。ギリシャ国民はそこにデモで対抗した。
1997年に国際通貨基金(IMF)体制を体験した韓国民の立場から見ればあきれる。韓国民はその時タンスの中に隠しておいた金製品までみな差し出して「国を救おう」とひとつになった。多くの人がリストラされ職場から追い出される苦痛にも耐えた。振り返ればその時のIMFの要求はとても苛酷だった。2008年の金融危機の際に米国にしたことを見ると、10年余り前に韓国に要求した基準は過度に高かったことは明らかだ。だがそうすることでいち早く危機から抜け出した。