１９９３年にいわゆる「新経営宣言」をし、「１０万人の生活を支える１人の天才が必要だ」と力説した李健熙（イ・ゴンヒ）三星（サムスン）電子会長が、今度は「女性の最高経営者（ＣＥＯ）が現れるべき」と述べ、女性人材の重要性を強調した。２３日、ソウル瑞草洞（ソチョドン）にある三星電子の社屋で行われた三星グループ女性役員らとの昼食会でだ。李会長はこの席で、「女性が役員にとどまっていると自分の力量を発揮できないため、社長までなるべきだ」と述べたと、その場にいた李仁用（イ・インヨン）未来戦略室コミュニケーションチーム副社長が伝えた。

これにより、今年末の定期人事で女性社長の誕生と多くの女性役員の昇進が見込まれている。三星グループは、李社長の長女である李富眞（イ・ブジン）新羅ホテル・三星エバーランド社長を除き、これまで女性社長を輩出したことがない。また、グループ全体１７６０人の役員のうち、女性役員は１．９％の３４人に過ぎない。

この席で女性役員らは職場での苦労を李会長に打ち明けた。「出産・育児休暇が自分に不利益をもたらすこともある。この時期をスムーズに乗り越えられるよう、会社や同僚が理解して助けてほしい」などの意見が出た。ある参席者は仕事が原因で夫と喧嘩した話までした。李会長は参席した女性役員らのジレンマを聞き、「多くの共通した苦労があるのだと感じる」とし「苦労を柔軟に乗り越えてきたということが感じられ、やはり柔軟性があってこそ生き残るのだいうことも感じた」と述べた。さらに李会長は、「女性は能力もありフレキシブル。競争で負けるはずがない。十分勝てるし、勝たなければならない」と付け加えた。