【社説】世界が借金に苦しんでいるのにまた無償政策なのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.08.09 11:31
米国の格付けが一段階引き下げられ世界の金融市場がふらついている。南欧の財政危機当時、世界は「一部地域の問題」と把握した。ところが米国の事態は南欧のような債務償還危機ではないのに世界は何倍もの衝撃を感じている。世界はいま、「国の借金」がどれだけ恐ろしいのかをまざまざと目撃している。
こうした問題が起きれば国はすでに計画された支出も点検するなど財政に対する総体的な引き締めに出なければならない。ところが米国の格付け引き下げ翌日の日曜日、ハンナラ党の黄祐呂(ファン・ウヨ)院内代表は自身の就任100日として記者懇談会を行い、新たに「0~4歳無償保育」を提案した。黄院内代表は、無償保育は義務教育概念の一環で、少子化を解消するための対策であり、ひとまず0歳から始める場合には1年に1兆ウォン程度でできるという論理を展開した。彼の提案はさまざまな面で問題が多い。
まず国民に、福祉に関する誤った認識を持たせかねない。教育と保育は違うものだ。野党は全面的無償給食を主張しながら給食も義務教育に含める誤った論理を展開している。ところが政権与党の院内代表がこれを正すどころかそそのかしている。いまハンナラ党は党レベルで呉世勲(オ・セフン)ソウル市長の無償給食調停案住民投票を支援するという方針だ。そのような時に党の院内代表が新たな「無償」を持ち出し国民と党員に混乱を与えている。野党は「無償保育はできるのに無償給食はなぜできないのか」と攻勢をかけている。