【社説】米国に「FTA反対」訴えた千正培議員の詭弁
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.08.06 13:05
民主党の千正培(チョン・ジョンベ)議員が書いた米議会専門誌への寄稿は私たちをいらだたせる。「韓米自由貿易協定(FTA)は両国共倒れの道」という内容も歪曲だらけだが、こういうものを米国議会専門誌に寄稿するという野党重鎮議員の行為が望ましくない。さらに長期間にわたり議論した米国議会が苦労してFTA批准に合意した時期に、韓国国会議員がこういう寄稿をしたという事実には恥ずかしさまでも感じる。
千議員の寄稿を読むと、あたかも米国政界に「FTA批准をしないでほしい」と訴えているようだ。「FTAが発効すれば、米国が貿易赤字で損失を出す」とし、反対するべきだと主張した。これは千議員が韓国に貿易黒字が出ると憂慮したということだ。もちろん正しくない。FTAは当事国ともに利益を得るウィン・ウィン(Win-Win)ゲームだ。千議員の主張のように両国がともに損をするルーズ・ルーズ(Lose-Lose)ではない。
FTAが両国にとって利益になるということは、これまでのFTAを通して立証された国際社会の常識だ。FTA交渉が容易ではないにもかかわらず、各国がお互い交渉を急ぐ理由だ。FTAをめぐる国家間交渉が激しいのは、当事国の間で少しでも多くの利益を得ようという外交戦略が作用するからだ。国内的にさまざまな声が出てくるのは、産業分野別に損益が分かれるため、これに対する利害の調整と損失補填手続きが避けられないからだ。FTA自体が間違っているからではない。