【社説】ノルウェー国民へ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.07.27 11:40
ノルウェーのテロによる死亡者は76人だ。9・11テロの約3000人に比較すれば少ない。しかし490万ノルウェー国民には“3000人”と同じ衝撃だ。ある面では9・11より激しい衝撃ともなりうる。テロとは無縁の平和な国で起き、自国人が同胞を殺し、花のように美しい青少年が最も悲劇的な方法で死んでいったためだ。犯人は氷のように冷静で、憎しみは悪魔の炎のように熱かった。平和が大きいから衝撃も大きいのだ。
欧州の多くの国でこの数年間に多文化政策が揺らぎ反人種犯罪が増えた。ドイツ・ロシア・フランス・ハンガリーなどで国粋民族主義の青年たちがイスラムやアジア・アフリカ出身を攻撃した。ある人はスキンヘッドにしネオナチを叫び暴力を振るった。こうした風が吹いたがノルウェーは揺れなかった。ノルウェーは移民者に文明的で包容的という評価を受けていた。人口の10%が移民者でそのうち3分の1がイスラムだ。移民者はノルウェー各地で平和に暮らしている。ところがそのようなノルウェーで最も残酷な憎悪犯罪が起きた。もしかしたら人類の代わりにノルウェー国民が試練を受けたのかも知れない。もしかしたら悪の勢力がノルウェーを通じて人類に暗鬱なメッセージを伝えたのかも知れない。