【社説】授業料アルバイト生の残念な死
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.07.05 16:12
授業料を稼ごうとアルバイトの現場で惨事にあった休学生の悲劇は「高い授業料」に苦しむ大学生の現実を如実に表している。一昨日の明け方、京畿道高陽市(キョンギド・コヤンシ)にある大手ショッピングセンターのイーマート炭ヒョン店地下1階の機械室で、冷凍器点検作業中に有毒ガスによって中毒死したソウル市立大の休学生ファン・スンウォンさん(22)。彼にとって、1学期あたり数百万ウォンの授業料は肩に重くのしかかる大きな負担だった。工場や食堂を往復し、1カ月100万ウォン(約7万6000円)を稼ぐ母親に授業料を期待できるような状況ではなかった。今年5月に除隊して、その2日後から「授業料は自分で稼ぐ」といってすぐに仕事場に出た理由だ。それも1ウォンでも多くもらおうと、危険で辛い仕事をいとわなかったが、残念な事故に遭ってしまった。
ファンさんは経済的に厳しい家庭にもかかわらず、大学進学の夢をあきらめなかった。独学で勉強し高入・大入検定考試を経て2009年、ついに大学に入学した。「5年以内にお母さんを楽にさせてあげる」という彼の口癖のように、優しく素直な息子でもあった。そんなファンさんは授業料の負担に苦しみながら、学業の夢をかなえないうちに美しい年齢で散り失せてしまったのだ。