【コラム】大韓民国の価値(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.05.31 11:45
ハンナラ党を見ると目まいがする。前回の補欠選挙は明確に変化を望む声だった。しかしハンナラ党は何をどのように変化するのか進む道を探せないでいる。大学授業料半額化問題だけでもそうだ。父兄の負担を減らすという点で授業料を低くしてくれるならば良いことだ。しかしいまわれわれの問題は授業料の次元ではない。高い授業料を出して大学を卒業しても就職できず青年失業者があふれ出る。運良く大企業に就職した場合でもわずか20年余りで退職の心配をすることになっている。問題の核心はどのように働き口を作るかであり、働き口に合う教育はどのようにするかだ。単純に授業料を引き下げるより複雑で難しいことだ。時間はかかるが根本的なアプローチをしなければならない事案だ。
増税か減税かも複雑な問題だ。保守は減税、進歩は増税という公式によって動くことはできない。英国のキャメロン政権は保守党だが、税金は上げて政府支出は減らす緊縮政策をとっている。自然に福祉・教育プログラムを改革し健康保険などにしわ寄せが行くほかない。代わりに国の財政は借金を減らして正常化させている。いまハンナラ党は増税をしながら福祉を増やそうという進歩政策を主張している。金正日(キム・ジョンイル)が中国を訪問し、ハンナラ党内で南北対話を再開しなければならないという声が高まっている。北朝鮮が中国に従属すれば統一が一層難しくなるというのが理由だ。哨戒艦・延坪島(ヨンピョンド)事件をあいまいにし、今回もまた状況に押されて対話にしがみつかなければならないのかについては何の言及もない。変化自体にしがみついているので自分が誰なのか、存在理由は何かもわからない紛らわしい存在に変わっていきつつある。変えろというので礎まで抜いて、柱まで抜いて家を崩そうとしている。