今後韓国経済の潜在成長率が４％台前半にとどまると韓国開発研究院（ＫＤＩ）が見通しを示した。だからといって欲張って成長率目標をあまりに高く設定しては困るという警告も付け足した。物価急騰などのスピードによる副作用が並ではないとの懸念からだ。短期間に速度を高めると事故が起きかねないため、基礎体力を強化し平均速度を上げる根本処方が必要という話だ。

ＫＤＩは１９日に出した「国際金融危機後の韓国経済の潜在成長率評価」と題する報告書で、最近の韓国経済の潜在成長率は４．３％前後と推定した。世界的な金融危機以前の２００１～２００７年の潜在成長率は４％台半ばだった。

ただ、心配されていたよりは金融危機のショックは大きくなかったと解釈している。金融危機発生以前にも人口高齢化などで韓国経済の潜在成長率は下落傾向になると予想していたためだ。

これは１９９７年の通貨危機前後の潜在成長率変化が大きかったことと比較すれば確然と現れる。通貨危機以前に６％台半ば水準だった潜在成長率は危機のショックで４％台半ばに急落した。

２００８年の金融危機の衝撃が軽かったのは、危機が内部ではなく外部で発生したことに加え、直接的に国内金融システムを崩壊させる状況にまで悪化しなかったためだ。金融業界の不良債権比率が相対的に低い状態を維持していたほか、預金引き出しの集中や金融機関の破産が起きず、通貨危機当時とは状況が変わったという説明だ。

実際に金融危機の影響を直接受けた米国・英国・ドイツ・フランスなどは、２００８年以降に潜在成長率が０．５ポイント下落したと推定されている。




韓国、潜在成長率４％前半まで下落（２）