韓国だけが高い関税を払って貿易する愚(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.05.09 10:27
経済学原論の授業で学生たちが高い集中力とともに多様な表情を示す時がある。貿易の利益について習う時だ。2つの国が貿易をすることで、貿易以前に比べると同じ資源を投じてさらに多くの消費ができるようになるということをグラフと数字を通じて見せると目を見張る。その魔法の秘訣が、各自が安く生産できるものに専門化して生産を増やした後に分配することだと説明すれば首を縦に振る。そして貿易は国内のすべてに同時に得になりはせず、輸入で一部国内供給者が被害を受けることもあるという時は表情が微妙になる。しかし貿易の得が失より大きいため全体的には利益だとグラフを通じて見せてやればまたうなずく表情に戻る。
貿易に対する韓国社会の現実の態度は学校と同じようで違う。頭では貿易の利益を理解して受け入れる。しかし輸入により被害を受ける階層ができるということに対し心情的に落ち着かないようだ。
現実が学校と違う点は得と失の冷静な比較ができないという点だ。被害に対する不満の声は増幅され実際より誇張されて現れるが、利益は過小評価される。こうしたことがあるのは、被害は短期的にそして特定領域で集中的に現れるため簡単に眼に触れるのに対し、利益は長期にわたり、そして広く現れるのですぐには見えないためだ。