北朝鮮の金正日（キム・ジョンイル）国防委員長の警護を担当する護衛総局の要員と推定される２０余人が４日、極秘で北京に到着したと、中国のある消息筋が５日伝えた。

この消息筋は「２０余人の北朝鮮秘密要員が４日に北京入りしたと聞いた」とし「日常的な（北朝鮮と中国の）党・政府間の交流とは関係のない、別の特殊任務で来たとみられる」と伝えた。２０余人は内部が見えない特別車両で移動し、中国公安の特殊部署が案内していると、消息筋は説明した。

北朝鮮護衛総局の要員である場合、金委員長の三男・金正恩（キム・ジョンウン）の訪中を事前に準備するための先発隊である可能性が高い。これまでの慣行を見ると、護衛総局の要員が訪問した後、短ければ一週間後に北朝鮮の最高位級要人の訪中が行われてきたからだ。

北京入りの経路について消息筋は「平壌（ピョンヤン）と北京を運航する高麗航空の定期便は火曜・木曜・土曜にあるが、別途の専用機に乗ってきた可能性もある」と説明した。この消息筋は「３泊４日ほど北京で活動した後、東北３省側に移動する可能性がある」と予想した。

訪中の目的に関し、この消息筋は「金正日・金正恩の訪中と直結したと断定するのはまだ早い」としながらも「少なくとも張成沢（チャン・ソンテク）労働党行政部長以上の要人の訪中に向けた先発隊として来た可能性が高い」と話した。

これと関連し、北京のある対北朝鮮消息筋は「護衛総局は金委員長だけでなく、後継者に内定した金正恩の警護も担当しているとみられる」とし「このため金正恩の訪中が行われる場合、護衛総局が先発隊を派遣して訪問予定地を事前に現地調査することは十分に考えられる」と述べた。また「金正日または金正恩でない別の要人の訪中のために護衛総局要員が先発隊に来るというのは過去の慣行に外れる」と指摘した。

別の消息筋は「朝鮮労働党の総書記を兼ねている金正日の秘書室に該当する書記室の要員が護衛総局の要員とともに現れたとすれば、金正日または金正恩の訪中と直結する確率が高まる」と伝えた。続いて「北京入りした北側の人物が本当に護衛総局の要員かどうか、書記室の要員まで含まれているかどうかなどがまだ確認されていないため、もう少し調べてこそ正確な判断が可能」と話した。

一方、年初から金正恩の訪中の可能性が絶えない中、池在竜（チ・ジェリョン）駐中北朝鮮大使が最近、中国の習近平国家副主席、賈慶林人民政治協商会議主席、李長春共産党政治局常務委員らと相次いで接触し、注目を集めた。これに伴い、北朝鮮高位層の訪中のための準備作業と関係があるだろうという推測が広まっている。

ある外交安保専門家は「胡錦濤国家主席の北朝鮮指導部招請が依然として有効なので、いつ訪中してもおかしくない」とし「中国が当然、贈り物を準備し、中国指導部の日程がうまく調整されれば、訪中の可能性は相変わらず開かれている」と述べた。

一方、北京の別の外交消息筋は「食糧不足と経済問題、後継構図の速度調節など北朝鮮の内部事情のため、金正恩の５月の訪中は現実的に難しく、６月以降になる可能性がある」と主張した。


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