【中央時評】遠藤未希さんの行方不明
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.03.17 18:09
運命は選択できないが、運命に対する姿勢は選択できる。 自然による大災難の前に茫然自失しながらも、悲しみを胸の奥深くに抑える日本人を見ながら感じることだ。 悲嘆の中でもしっかりと耐える日本人こそ、「アモールファティ(amor fati)」、すなわち「運命を愛する」という、2500年前のストア哲学の神髄を内面化した人たちだという気がする。
逆境は感動を生むという。 いま多くの感動ストーリーが出てきているが、最近メディアに報道されたある公職者の行方不明は特に心を引きつける。 宮城県南三陸町の町役場危機管理課職員、遠藤未希さんだ。 遠藤さんは津波が押し寄せてくる時、「早く逃げてください。 6メートルの波があります」と最後まで放送を続け、結局、津波にのまれた。 25歳の最も美しい年齢で、住民を救おうとマイクを放さず行方不明になった遠藤さんの哀切な話は、一つの静かな感動だ。