【社説】カダフィの蛮行、国際社会は糾弾だけするのか
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.02.25 10:56
狂気だった。ムアマル・カダフィ・リビア国家元首が一昨日、国営テレビで行った75分間のワンマンショーのことだ。カダフィは反政府デモ隊に向かって「ネズミを捕まえるべきだ」と叫んだ。また「殉教者として死ぬ」とし「最後の血一滴が残るまで戦う」と主張した。貴重な国家資産である石油施設を破壊しろという命令まで出したと伝えられている。まともではない。金で雇用した外国人に自国民を殺戮させ、戦闘機とヘリコプターでデモ隊の頭の上に爆弾と銃弾を浴びせている。戦闘機までも動員して自国民を虐殺する事件は現代史で類例がない蛮行だ。ルーマニアの独裁者ニコラエ・チャウシェスクの惨めな末路が彼を待っている。
無政府状態に陥ったリビアは事実上、内戦状態だ。16日に始まった反政府デモで国は2つに分かれた。第2の都市ベンガジをはじめとする東部地域はすでにデモ隊の手に渡った。カダフィは親衛軍事組織の保安軍と外国人傭兵を動員し、首都トリポリなど西部地域で大々的な「血の大虐殺」を行っている。140余り部族勢力も2つに分かれて戦っている。がけっぷちに追い込まれたカダフィの断末魔的な抵抗のため無実の市民が死んでいる。犠牲者が急増し、2000人を超えたという声まで聞こえる。発砲命令を拒否した軍の離脱が加速し、カダフィの蛮行に耐えられず、政府高官が相次いで背を向けている。市民革命で平和的な体制転覆に成功したチュニジアやエジプトとは違い、最悪の状況がリビアで展開されているのだ。