【コラム】日本軍国主義時代に「迫力」という新造語が登場した
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.01.24 16:46
垓下で四面楚歌の窮地に追い込まれた項羽は死の直前、「垓下歌」を残した。「力は山をも抜き、気勢は世界を覆っていたが、時運が不利なので、馬も進もうとしない…(力抜山兮 気蓋世 時不利兮 騅不逝…)」。2000余年後、私たちの近代の民族英雄、安重根(アン・ジュングン)は伊藤博文を暗殺する前、禹徳淳(ウ・ドクスン)に「丈夫歌」を伝えた。「男が世の中を生きていくこと、その志は大きい。時代が英雄をつくり、英雄が時代をつくる…(丈夫処世兮 其志大矣 時造英雄兮 英雄造時…)」。項羽は気を、安重根は志を語った。
人類が文明を作って維持しながら発展させられたのは、物質的な価値だけでなく精神的な価値も重んじたからだ。精神的な価値は人なら当然守るべき道理に属するものと、普通の人には実践が難しい領域にあるものに分けた。東洋と西洋が強調する点は違ったが、孝悌忠信、仁義礼智信、誠実、謙遜、寛容、節制などは普遍的な価値であり、自分を犠牲にする利他心、見込みのない状況での勇気、命と対等交換をする信念などは、普通の人々が真似るのが難しい英雄的な価値だった。