「船長は釣魚島が中国領土という原則を最後まで守った。日本に妥協しなかった」－－。

中国と香港など中華圏メディアは尖閣諸島（中国名釣魚島）周辺領海を侵犯した疑いで日本により１７日間拘束され、釈放された中国人セン基雄船長（４１）を「民族の英雄」としている。

２６日現地メディアは中国政府が用意したチャーター機便で福建省福州空港に２５日到着し、家族の元に帰ったという事実を主要ニュースで報道した。

官営新華社通信と国営中国中央放送（ＣＣＴＶ）を含む中国の官営メディアはセン船長が福州空港に到着した時から晋江の故郷村に帰って村の住民たちから歓迎されるまでの状況を速やかに報道した。まるで戦争に勝って帰ってきた凱旋将軍のように礼遇した。実際にこの日、福州空港には中国外交部胡正躍外務次官補と洪捷序福建省副省長が彼を直接迎えた。セン船長はＣＣＴＶのインタビューで「釣魚島は中国の領土」と強調し近いうちにまた釣魚島に魚を捕りに行く」と話した。新華社通信は「日本が私を拘束したのは不法で釣魚島は中国の領土だ。私は政府の立場を強力に支持する」と言ったと報道した。

中国評論新聞網は「セン基雄船長のけんかは個人のけんかではなかった」という記名コラムで“民族の英雄”と同時に“偉大な中国人”とセン船長を表記した。香港の明報と文匯報など有力新聞たちもセン船長が福州空港で「Ｖ字」を描いて歓迎客たちに応える姿を写した写真を１面で大きく報道した。文匯報はセン船長を“英雄の船長”と「私は死んでも釣魚島が中国の領土と言うだろう」と重ねて強調したと伝えた。

一方、中国メディアはセン船長が拘束された状況で彼の祖母が衝撃を受けて死亡したと集中的に報道し、反日感情を高めた。