【社説】書生政治の限界を見せた鳩山首相の辞任
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.06.03 10:08
政治は理想だけで成り立つものではない。政治家にとって哲学は重要だが、それを現実に接続するためには高度な打算が必要となる。マキャベリの『君主論』が今でも耽読される理由だ。政治家の資質を書生的な問題意識と商人的な現実感覚で要約した金大中(キム・デジュン)元大統領の鋭い洞察力が引き立って見える理由でもある。鳩山由紀夫日本首相が昨日、執権民主党の実力者である小沢一郎幹事長とともに辞任した。就任から8カ月後だ。理想主義政治の限界を見るようでほろ苦い感じがする。
鳩山首相が辞任した直接的な理由は支持率の低下だ。就任当時70-80%に達していた支持率は最近10%台に落ちた。このままでは来月実施される参院選惨敗が明らかだという集団的危機感が鳩山首相の背中を押したのだろう。支持率が急転直下したのは、普天間米国基地移設をめぐる論争が決定的だった。普天間基地を沖縄県外に移設するという鳩山首相の公約は米国の強力な反発で空約になってしまった。同盟国との合意と現地住民の公約履行要求の間で道筋をつかめず漂流し、結局、足踏みをする格好になった。この過程で鳩山首相は政策を主導し、世論を説得するリーダーらしい姿を見せることができなかった。