【社説】日本政府は皇室保管朝鮮宝物を速かに返還せよ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.03.25 10:28
赤と黄色で彩られた華麗で繊細な『明成皇后国葬都監儀軌』。朝鮮の代表的な記録遺産に選ばれる王室儀軌は、07年にユネスコが世界文化遺産に指定した貴重な文化財だ。高麗・朝鮮時代に王が学識高い臣下から講義を聴く際に教材として使われた『通典』とはどういうものか。高麗・朝鮮の王室を経て現在まで残されてきた極めて重要な資料だ。『王世子冊礼都監儀軌』の古くなった表紙は朝鮮王朝の最後の姿までも連想させ、心が痛む。値を付けられないこうした資料639種4678冊が日本皇室図書館の宮内庁書陵部に眠っている。昨日、中央日報を通してその写真が公開された。当然、私たちの懐に戻ってくるべきではないだろうか。
他の誰よりも当事者の日本政府が立ち上がり、返還問題に誠意を見せなければならない。1965年の韓日協定ですべて片付いたという言葉ばかり繰り返す懸案ではない。第6次韓日会談が進行中だった1962年、韓国政府が当時把握された4479点の文化財返還を要求したが、1432点を返してもらっただけだ。韓国側は『王室儀軌』や『通典』の存在さえも知らなかった。明成皇后国葬儀軌など日本宮内庁が所蔵する70余種の儀軌は、1922年に朝鮮総督府が日本皇室に‘寄贈’したものと後になって明らかになった。韓国海外典籍調査研究会・朝鮮王室儀軌還収委員会など国内民間団体の隠れた努力のおかげだ。国権を強奪した状況で他人の貴重な文化財を自分たちで‘寄贈’したというのが話になるのか。一昨年ソウルで開かれたユネスコ傘下「文化財返還促進のための政府間委員会」(ICPRCP)専門家会議でも、「帝国主義植民侵奪当時に不法的に略奪された文化財は元所有国に戻されるべき」という要旨の「ソウル宣言」が採択された。韓日強制合併100年を迎えた今年、日本政府が良識ある決断を下すことを求める。