【噴水台】2位の逆説
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.03.02 16:34
1936年、ベルリン五輪時、マラソン優勝候補はアルゼンチンのファン=カルロス・サバラだった。オリンピック2連覇を狙った彼は、初めから恐ろしく蹴り出した。彼に追い付こうとぐっと追いかけたのが、孫基禎(ソン・ギジョン)選手だ。これを意識したのかサバラはますますスピードをあげた。当時2位グループで一緒に走ったイギリス選手アーネスト・ハーパーが値千金な忠告を投げた。「彼はすぐくたびれます。ゆっくり、着実に走ってください」その言葉に孫選手は自分の普段の速度どおり走り始めた。案の定、無理なサバラは28キロ地点で追い越された後、棄権してしまった。金メダルは結局、孫選手のものになった。
長距離競走で1位で走る走者は2位走者より3倍以上大変だという実験結果が出た。追手を牽制しながら走る先頭の席がそれほど難しいという意味であるはずだ。サバラはそこで負けた。一方、孫選手は他人を意識しないように労力した。ひたすら自分自身との争いに忠実に貴い勝利をおさめた。