<スターデート>160キロの剛速球投げる林昌勇(2)
◆2度の危機を乗り越え=ヤクルトの高田繁監督は「どんな説明が必要だろうか。みたままの通りに完璧な抑え投手だ」と激賛した。日本の他の球団と一部メジャーリーグのチームは契約期間が終わる2010年シーズン後の林昌勇獲得のため目を付けている。林昌勇はシーズン初めに危機に見舞われた。2月28日に中日とのオープン戦で打球が右ひじにぶつかった。林昌勇は「『もう野球は終わったな』と考え、過去の日々が映画のシーンのように駆け巡った」と振り返った。幸い骨には異常がなく、2日後にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表チームに合流した。林昌勇はうずく腕で3月9日の1ラウンド日本戦で1対0の勝利を守るセーブを果たした。
しかしWBCの決勝でイチローの決勝2塁打を受け崩れ落ちた。監督のサイン無視問題まで起き、ネットユーザーから叱咤された。金寅植(キム・インシク)代表監督が「ベンチのミスだった」と釈明したが意味はなかった。痛みをこらえ投げた闘魂も、それまでの4試合無失点も、安打ひとつで崩れ去った。しかし林昌勇は「むしろ助けになったようだ。そうした経験をしたから他の状況は楽に受け止められる。おかげで危機が来ても自信を失わない」と笑った。