鄭会長は韓国に来たミスターピザの社長に会って接待し、日本の会社を訪問する約束を取り付けた。 その日から昼食と夕食にピザを食べ始めた。 いろんな味を知って日本に行くためだった。 「手で練って空中で回転させながらピザの生地を作った後、網で焼くまでの過程を顧客にすべて見せていた。 これで韓国で成功しなければ漢江(ハンガン)に落ちてもかまわないと思うほどだった」
梨花(イファ)女子大学前の1号店から始まったミスターピザは手作りと味で勝負した。 4店目の直営店をオープンした後、すぐには必要でない職員を雇って手作りピザの作り方を教育した。 加盟事業はロイヤルティーを支払わなくなった96年に始めた。 女性の顧客をターゲットにした戦略も成功した。 同社は「油を抜いた手作りピザ」というスローガンを2004年に「Made for Women」(女性のために作ったピザ)に変えた。 特定日には女性顧客に割引販売した。 07年からは「Love for Women」(女性を愛するピザ)にした。 「米ロサンゼルスに店を出したところ、‘なぜ女性用か’と尋ねられた。 従業員らが返答に困っていたので変えた。 愛することに理由はないから…」
ミスターピザは米ロサンゼルスに2店、中国・北京に12店ある。 最近、上海で現地パートナーとフランチャイズ契約を結んだ。 鄭会長は「中国は大連・瀋陽で速度戦を繰り広げ、シンガポールにはベースキャンプを整えてインドネシア・タイに進出する考え」とし「海外ピザ市場は‘無主空山(主のいない山)’なので国内のようにやれば勝算はある」と語った。