「北、ユ氏解放で中断された対北支援を得る狙い」(2)
現在の南北(韓国・北朝鮮)と朝米関係の構図が金泳三(キム・ヨンサム)政権(94年)の北核危機当時に似ているという見方も出てくる。
北朝鮮の平壌(ピョンヤン)を訪問したジミー・カーター元米大統領は、米国との談判にだけこだわっていた北朝鮮に対し、南北対話の必要性を強調した。統一研究院の鄭永泰(チョン・ヨンテ)上級研究員は「今月4日、クリントン元大統領との会談の際、南北関係の改善なしでは朝米交渉が容易ではないという判断を金正日(キム・ジョンイル)委員長が下したかもしれない」と述べた。
北朝鮮問題に対する韓米両国の緊密化した連携を壊しにくいという判断により、通米封南(米国と通じ韓国を封鎖する)ではなく「通米通南」に転じたという観測もある。中央(チュンアン)大学政治外交学科のイ・ジョウォン教授は「米国人女性記者らを釈放したのに、韓国人労働者を無条件拘束しているわけにもいかない状況も北朝鮮を動かせたのだろう」と指摘した。