きのう午前、3000人余りの警察が双竜(サンヨン)自動車工場に進入した。同じ時刻に双竜自動車労組幹部の妻が首をくくって自殺した。平和的解決を繰り返し強調していたわれわれとしてはやり切れない心情だ。警察のヘリコプターが上空を旋回する中、火の付いたタイヤが真っ黒な煙を吹き出し、投石機から放たれるボルトが飛び交う工場は戦場と変わらなかった。対話と交渉は2カ月以上にわたり落としどころが見つけられず、結局力と力が衝突する野蛮な暴力につながったのだ。
今回の事態は一自動車メーカーの不幸だけにとどまらない。韓国社会のどこかで、いつでも「第2の双竜自動車問題」が起きる可能性があるということがより大きな悲劇だ。双竜自動車の現場は疎通不能と不信が支配する韓国社会の今日を濾過することなく見せている。