リストラ対象からはずれた双竜自動車の幹部たちが昨日、平沢工場に戻ることを決意したという。労組が掌握している生産ラインを強制ででも取り戻し、会社を生かそうとする切迫感から始まったのだ。「労組がパチンコでボルトを撃つだろうが無条件戻る」という職員代表の言葉からは悲壮感さえ感じられる。危険物質でいっぱいになった塗装工場でストライキ中の600人労組員と流血衝突がもたらされないか懸念される。
双竜車労組は、もう自分たちはもちろん、昨日の仲間たちまで死に追いこむような無謀なストライキを中断しなければならない。600人の労組員の生計が重要なように、整理解雇からはずされた残り3000余の職員たちも生きなければならない。労組が2カ月間操業を妨害し、続く倒産で協力会社たちの事情はまたどうか。納品業務が中断した200の協力企業は涙をのんで職員たちを整理解雇している実情だ。どれだけせっぱつまれば彼らが「双竜車をむしろ早期破産させてくれ」と訴えるだろうか。