【社説】EUとFTA交渉妥結…これからは北東アジアFTAハブへ
韓国と欧州連合(EU)の自由貿易協定(FTA)交渉が事実上妥結した。世界的な不況で冷え込んだ韓国の輸出にとっては日照りの中の恵みの雨だ。EUとのFTAは米国に次いで韓国が巨大経済圏と2番目に結んだFTAだ。27の加盟国と世界最大の域内市場(GDP18兆3000億ドル、2008年)を持つEUは、韓国にとって中国に次いで2番目に大きい輸出市場(580億ドル、2008年)でもある。韓国が生産性向上でEUとのFTAに積極対応すれば総生産額は5.5%、雇用は29万人が増えるとされる。
EUとのFTAは韓国の「重商主義国」のイメージを改善するのに大きく寄与するのは間違いない。国際社会で韓国は輸出拡大にばかり熱を上げ輸入開放には微温的だというイメージを与えてきた。合わせて世界の経済危機とともにうごめいている保護主義の拡散を阻止するのにも一定の役割を果たすだろう。
他の地域とは違い、EUとのFTAについては国内の関連業界の反発は激しくない。国会批准まで比較的順調に終えられると予想され幸いだ。だからといって輸入拡大にともなう影響や構造調整圧力が懸念されないものではない。特に金融・法律などサービス産業でのEUの国際競争力は米国を凌駕している。立ち後れている韓国のサービス産業が一段階上昇するための刺激になるよう民間業界の競争力向上と政府の規制改善策が設けられなければならないだろう。