◆韓流ドラマヒロインの典型

チェ・ジウをスターダムにのしあげた作品は１９９６年ＫＢＳ２「初恋」だ。チェ・スジョン・ペ・ヨンジュン・イ・スンヨンらが出演した「初恋」は６５．８％で歴代最高視聴率記録を保有した作品。チェ・ジウはペ・ヨンジュンの友達として登場し、純粋でいきいきとした魅力を発散した。出演する比率はイ・スンヨンに比べて少なかったが、視聴者の反応は高かった。

「初恋」のイ・ウンジンプロデューサーは「発声や発音があまり良くはなかったと記憶している。しかしその点がちょっと間抜けに見え、劇中のキャラクターにはよく似合っていた。キャラクターの真正性を高め、反応を引き出した。礼儀正しくてまじめな点もプラス要素だった」と語った。

「初恋」以後、チェ・ジウはトップスターに向けた順調な歩みを踏み出した。映画「罠」ＭＢＣ「愛」などを経て、視聴率４０％を突破したＭＢＣ「真実」出演で、トップスターとしての地位を固めた。続いて出演した「美しい日々」「冬のソナタ」「天国の階段」などは国内のみならずアジア全域で大ヒットした。チェ・ジウはイ・ビョンホン、ペ・ヨンジュン、クォン・サンウら共演した男優たちとともに韓流トップスターにのし上がった。

しかし彼女は「スターとしての地位に比べ演技力に欠ける」という指摘を常に受けている。特に発音についてはドラマや映画に出演する度に彼女の足を引っ張った。

「冬のソナタ」のユン・ソクホプロデューサーは「チェ・ジウは作品を引っ張る力を持った女優。また男優を引き立てる能力も持つ。チェ・ジウがいたからペ・ヨンジュンがいっそう魅力的に見えた。演技力においてチェ・ジウは評価を切り下げられる部分が多い」と話す。

これらの作品でチェ・ジウは、力強くさっそうと逆境を勝ち抜けながら涙ぐましい純粋な愛を演じるヒロインを演じた。これは韓流ドラマヒロインの典型となった。日本など海外ファンはそんなチェ・ジウの姿に沸き返った。しかし韓流を狙った、似たようなイメージがかたまったという課題も常に彼女に付きまとう。

映画「連理の枝」、ＭＢＣ「エアシティ」、ＳＢＳ「スターの恋人」の相次ぐ不振で、国内のステイタスも揺れている。しかしチェ・ジウはキャスティングだけで数十億ウォンの投資を引きこむことができるほど海外では依然としてブルーチップだ。



◆キツネの仮面をかぶったクマ

知人たちはチェ・ジウに対して外見と違い、大ざっぱできさくだという。クールでつんとした顔だが、実際には大ざっぱで間抜けそうだという意味だ。

チェ・ジウの所属事務所Ｃ，ＪＷコンパニーのキム・ヒョンモ理事は「余裕があって感情豊かな性格だ。ある意味、隙も多い。だから重要な選択の瞬間には慎重で几帳面にチェックしようと努力する。そんな点から誤解する方々もいる」と伝えた。

チェ・ジウの間抜けさは２００８年末、ＭＢＣ「日曜日、日曜日の夜に」１０００回特集で紹介された「隠しカメラ－チェ・ジウ編」を通じてよく分かった。当時チェ・ジウはキム・ククジンとコミカルなコンセプトのミュージックビデオを撮影し、「どうしてあんなに間抜けに見えるほどの姿を見せるのか」と思うほどだった。こうした点は特有の白痴美として目立つ要素だ。おかげでチェ・ジウは純粋な女性キャラクターによく似合う女優として評価されてきた。


【スター探究】キツネの仮面をかぶったクマ　チェ・ジウ（１）

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