【社説】小児肥満症との戦争、より徹底的に備えるべき
欧州連合(EU)の加盟諸国は今年の新学期から各級学校の子供たちに果物と野菜を無料で配りはじめた。英国、フランス、スウェーデンなど欧州の主要諸国は、青少年がテレビを視聴する時間帯にファストフードや炭酸飲料などの広告を制限している。米国とオーストラリアでは学校内の食堂や売店で、高熱量・低栄養価の食品を販売することが禁止されている。
世界各国が小児肥満症との大戦争を展開中だ。小児肥満は成人肥満につながるだけでなく、高血圧・糖尿など成人病の発症率を高めるという点から深刻な社会問題だ。世界保健機関(WHO)は全世界の人口のうち、少なくとも10億人が過体重または肥満であり、肥満人口の約2割が子どもであることがわかっている。